議会改革への道のりは…(長文注意)

長〜い投稿です。マニア向け(笑)。

議会改革の研修に行った報告です。あまり上手くまとまってはないですが、お許しを。非常に書きづらかったもので。

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令和6年度市町村議会議員研修[2日間コース]

「議会改革を考える~先進事例に学ぶ住民参加・情報公開~」

研修日時:2024年10月21日(月)~22日(火)

【この研修に参加した動機】

木津川市議会は非常に保守的な議会だと感じている。新しい取組みに対する抵抗が強く、議会改革が進まない。新しいアイデアを見るけられるのではないかと期待し参加した。

【木津川市議会に必要だと認識していること】

①委員会議事録・録画の公開

③議会モニター制度の導入

④議会BCPの策定

⑤議会運営について全議員で学ぶこと

⑥毎年、議会基本条例を検証・見直しをすること。

⑥議会についての市民アンケート実施

⑦小学生議会、中学生議会、高校生議会

⑧委員会の閉会中審査を実施する

⑨委員会の所管事務調査を実施する

⑩委員会の管内視察をする

⑪議会運営委員会及び全員協議会の議事録公開

⑫傍聴規則の見直し

⑬議会ハラスメントの防止等に関する条例

⑭オンライン会議の導入

⑮視察報告のウェブ公開

⑯ホームページ改善

⑰組合議会の資料のデジタル化

⑱グループウェアの導入などによる議員どうしの情報共有

⑲議会改革特別委員会の設置

⑳全議員研修を年に4回ほど実施する

㉑議会パブリックコメント実施

㉒広報公聴委員会の設置

㉓議会図書室の改善

㉔議会資料のペーパレス化

㉕先進的知見を得るための大学とのパートナーシップ協定

㉖議会改革アドバイザーの設置

加賀市議会の議会改革について紹介があったが、前述したような内容をほぼすべて実施されているとのことだった。それがいかに実現したのかという参加者からの質問に対しては、「年長議員がやろうと言った」、「周りから一目置かれている議員がやろうと言った」等がきっかけだったと言われた。さらには、新人議員の意見こそが市民感覚に近いということで大切にしているという話もあった。

宮城県の柴田町議会は議長と副議長が女性である。この画期的な状態の背景には90年代から始まった男女共同参画の取組みがある。当時の町長が女性活躍に力を入れ始め(時代の後押しもあった)、96年から女性の政治参加を促すために「女性模擬議会」を始めたことが大きな契機になり女性議員が増えていったという。これ以外にも多くの女性活躍のきっかけ(女性政策係の創設、女性職員のお茶くみ廃止、女性史編纂、小中学校向けの男女平等に関する副読本の作成、男女混合名簿の導入等)を打ち出していった結果、現在の議会の議長と副議長が女性という快挙に繋がった。一朝一夕では成し遂げられなかった偉業であるといえる。

 柴田町においては女性の活躍もさることながら、議会改革にも熱心に取り組んでいる。例えば議会基本条例の見直しについては登別市のチェックシートを参考にしているとのことだ㊟(登別市は議会改革度ランキングで1位になっている)。チェックシートで確認した後は行動計画を作り、更にそれを議会アドバイザーに監修してもらっている。

 加賀市議会にしても、柴田町議会にしても有権者教育にそろって熱心に取り組んでいる。小学生議会、中学生議会、高校生議会、小中学生の議会傍聴、高校生との意見交換会、議会おでかけ教室(小中学校)などに取組んでいる。

 広報公聴についても活発である。議会便りについてはとにかく手に取ってもらえるよう工夫を重ねていて、ページを増やす、フルカラーにする、議会モニター員からの改善提案を採用するなど改革を進めている。表紙は市民の活動が分かるようなもの、当事者意識を持ちやすいものにしている。議会便りは広報とセットで配布しているが、その置き場所にも工夫がある。公共施設にとどまらず、スーパー、コンビニ、銀行などにも配置している。FacebookやInstagramもしているが、発信内容を工夫することが難しいという壁にぶつかっているそうだ。

当然ながら議会の録画はYouTubeでいつでも視聴できる状態であるし、全員協議会も視聴できる。非常に透明性が高いといえる。

 議会図書室については「加賀市議会図書室規則」を定めている。加賀市の場合は議会図書室を加賀市立中央図書館内の市政図書室に設置している。蔵書数は約7300冊、レファレンス機能も向上した。滋賀県大津市についても龍谷大学図書館と協定を結ぶなどして機能を向上させているそうだ。

加賀市議会は早稲田大学マニフェスト研究所の議会改革度調査でも5位を誇っている。

【所感】

予想はしていたものの、本市議会との格差には驚くばかりであった。全員協議会の様子をYouTubeで見てみたが、非常に正式なもので質が高かった。本市の全員協議会は議事録もなく、もちろん中継も録画もなく、どちらかと言えば「番外編」のような扱いに思えていたが、議員全員が対話をする場として公式に活用されていることが分かった。

 柴田町の女性の活躍については長年の取組みが結実したと言える。最初の牽引役が当時の町長だったということは羨ましく感じる。しかし、その取組みが長年続けられたことが何より大切だったと思う。女性議会から本当の町議が誕生し、その一人が今の議長である。本人は全国から取材を受けて面食らった、何も特別なことはしていないと言われていたが、この日本において全くもって画期的なのだと思う。

 早稲田大学マニフェスト研究所の議会改革度ランキングの指標は「情報共有」「住民参加」「機能強化」の3項目である。本市はこの3点において非常に取組みが乏しい。どこから手を付ければよいのか頭を抱えてしまう。

 議会活性化が必要であると全ての議員が自覚することが必要だ。そのために何をすべきか。講師を招いての学習会だろうか。議会基本条例の読み合わせだろうか。議会改革実行計画がなければ、どこから手を付けてよいのか分からない。指針が必要だと感じる。

 議会運営委員会が毎年のように議会改革の先進地を視察しているが、我が議会にそれが還元されていると感じられないのはなぜだろう。委員会の機能も脆弱なままだ。閉会中の動きは強いて言えば管外研修くらいのもの。本来ならば管内、つまり木津川市内の関連施設などでの調査がなされるべきだ。それが一切なく、議員個人の恣意的な活動になってしまっている状況は是正されなくてはならない。議員だけがいて、議会が存在しないかのような状態だと思う。

視察の在り方も是正されるべきだ。本市の視察報告書には「視察目的」を書く欄すら存在しない。更には、「視察概要」と「考察」が混然一体となっており、肝心の「考察」がほぼ無いなど不十分な内容になっている。「視察地概要」、「視察内容」、「主な質疑」、「考察」と続くべきである。更には委員外議員の参加も許可すべきものと考える。京丹後市議会などでは委員外議員の視察を認めている。自分自身が偶然今の委員会に所属しているだけで、他の分野も知りたいと希望するのは推奨されるべき性質のものだと考える。そして視察報告書は全てがHP上で公表されるべきだ。多くの議会がそのように公表しているのは当然である。公費を使っての議員視察は全て公表するべきだ。全議員から報告書を提出させることも必要だ。

 視察先は必ずしも遠方である必要もなく、先進的な近隣自治体でも問題ないはずだ。愛知県に偏った本市の視察の在り方も見直すべきだろう。

 市民参加についてだが、先日初めての高校生との交流が実現したところである。この交流が更に発展して模擬投票や高校生議会などに発展したらと願うばかりだ。

 本市の課題は山積している。一歩ずつ前進していきたい。

※写真は北海道の鷹栖町議会のチラシです。木津川市議会とは関係ありません。

#議会改革を進めよう

#JIAM研修

#谷口えいこ

#市民派議員

#木津川市議会議員

木津川市を誰にとっても温かいまちに変えよう!

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