【木津川市】修正動議と賛成討論 全文掲載

今回の議会で修正動議と賛成討論をしました。以下、全文を紹介します。

請願内容① 保護者の経済的負担を軽減するため、学校給食の無償化を実現してください

① についての賛成討論


 原油価格の高騰、食料品の相次ぐ値上げ、過去30年間において平均年収に変化がほとんどなく経済が低迷した状態が続いているなど庶民の生活は厳しい状態が続いています。そんな中で学校給食の無償化を求める声が各地で高まっています。日本農業新聞の調査によれば、令和4年度に無償化を実施した自治体は、小中学校の給食を実施する全国約1,600市区町村の約3割に当たる451に上っているとのことです。給食の無償化は以下の4点において合理性があるといえます。
 1点目としては、日本国憲法26条において「義務教育は無償である」と規定されています。平成 20 年6月には学校給食法が大幅に改正され、従来からの目標である学校給食の普及充実に加えて、「学校における食育の推進」が新たに規定されました。つまり給食は教育の一環であると明記されたのです。教育であるからには無償であるべきと結論付けることはなんら矛盾しません。
 2点目としては全ての子どもたちを分け隔てなく社会全体で育てるという意味があります。現状、困窮家庭への支援制度はあるものの、それは子どもたちを分断することにもなっており、本当の意味での平等ではありません。フィンランドは1943年、世界に先駆けて給食の無償化を実現しています。「良い学校給食は未来への投資」がスローガンで、就学前教育、小学校~高校まで無償です。まさに社会全体で子どもたちを育てているということでしょう。
 3点目としては無償化が実現すれば教職員は給食費の集金事務や滞納対応から解放され、問題になっている過重労働を軽減することにつながります。
 4点目としては市の魅力創出にもなります。給食が無償であれば子育てしやすいまちと印象付けられ、多くの子育て世帯を呼び込むことが出来ると考えます。更には出生率の向上などの少子化対策にもなりえると思います。
 以上の理由から給食の無償化に取り組むことに賛成します。

請願内容② 学校における教員不足と長時間過密労働の解消、子どもの学習権保障のためにも、教職員定数を抜本的に増やすよう国に働きかけてください。また、市独自にも教員配置の努力を続けてください。

② についての賛成の立場で討論します。


 学校現場において先生の数が足りていません。その原因としては大量採用期の教員が一斉に退職したことによる教員需要の高まりや教員の非正規化による教員の供給の不安定化、支援の必要なこどもが増えていること、教職志望者が減少していること、病休者数が増えたことなどが挙げられています。
 現場の先生たちは悲鳴を上げています。学校が始まったらトイレに行くことも出来ない、有給消化などそもそも出来ない、人数がぎりぎりだから体調が悪くても休めない、心療内科に通いながら仕事を続けている教員が珍しくなく、自分の子どもや家庭生活は二の次が当たり前です。それでも子ども達が可愛い一心で懸命に現場を守っておられる状態ですが、あまりに教員に犠牲を強いる無理のある体制と言えます。
 この状況を改善するために「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」いわゆる「義務標準法」の計算方法を改善して正規雇用の教員を増やすことが請願者から提案されています。これにより教員の負担軽減が図られ、職員数の定数を増やすことが出来ます。職員数が増えれば仕事に余裕が生まれ、休職者も減るなど好循環が生まれる可能性があります。このような改善を図るためにも木津川市は地方自治体として国に対して制度改正を求めていくべきと考えます。
 また、市においては持続可能な学校運営のためにも加配の教員を十分に雇用し、現場にゆとりが生まれるよう十分に配慮して頂きたいです。教員の人権が尊重されていなければ子ども達の人権を保証することも出来ません。
以上、私の賛成討論とします。

児童発達支援センター条例の修正案の提案についての趣旨説明:


 今回議案54号では児童発達支援センターの条例制定が提案されています。センターの誕生については私自身も歓迎するところなのですが、一つ気になる点があります。それは当事家族や利用者がしっかり運営に関われる仕組みが欠けたままになっていることです。
 2021年に議会で可決された請願にも協議の場に当事者家族の参加の機会を設けてほしいと要望がありました。第2次木津川市総合計画基本計画の中でも「市民との協働による計画」が掲げられています。市として市民との協働を進めると公に宣言しているのですから、それを実行に移すべきです。
 以上の理由から今回の修正動議では児童発達支援センターに運営協議会を設置することを提案しました。添付資料は「児童発達支援センター運営協議会規則(案)」です。センターの運営に市民が参画できる仕組みを具体的に示しています。一般的に運営協議会というのはその組織の運営や管理について組織外部の市民や専門家等で構成された協議会の委員が意見を出せる仕組みです。運営協議会を設置することで風通しがよくなり、よりよい運営や市民との協働が実現できるというものです。

 以上の理由から修正案の提案をさせていただきます。

木津川市を誰にとっても温かいまちに変えよう!

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