パブリックコメント、年末に4本立てはきつすぎるでしょう。ただでさえ出して貰いづらい、敷居の高いパブリックコメント。年末に立て続け方式、そろそろ見直して欲しい。そして、募集期間は2カ月にして欲しいです。
とまあ、改善の余地たくさんのパブリックコメントですが、自分史上最多の3本を提出しました。その中の一つである「教育振興基本計画(案)」に対する意見をご紹介します。みなさんも出してみてください。
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全般についての意見:
〇記述が作文形式であるため、非常に読みづらい。箇条書き、通し番号を振るなど読み手に分かりやすいものにしなくては、誰も読みたくない計画になってしまうだろう。色を使ったり図を採り入れるなどしてもっと理解しやすいものにすべきだ。
〇子どもの権利、子ども基本法、主権者教育に言及がない。計画に盛り込むようお願いしたい。
〇目標指数、達成状況の数値が一覧できるものがなく、茫漠としている。第一次の計画との比較がしにくい。他市では表で示されていて分かりやすい。
〇本計画に一次計画の中間見直しの内容が書かれておらず、どのような課題があったのか、達成度はどうだったのか等が見えない。PDCA サイクルはどうなっているのか。
計画作成にあたってのアンケートなどについて:
計画策定にあたり、何を元にしたのかの説明があるが、本市は全国学力・学習状況調査、全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を使用したという。亀岡市は計画策定のためのアンケートを実施している。市においてもこのような丁寧な計画作りが必要ではないか。
読書について:
泉川中学校の令和4年度学校評価・生徒アンケート結果によれば、「学校の図書館を利用している」の質問に対して全体の64%が「全くあてはまらない」、20%が「あまりあてはまらない」で合計84%にも上っている。自由記述には「図書館に行ける時間が少ない」とあった。これは以前より指摘されている。司書の配置状況も改善されていない。子どもたちは本の魅力を感じずに生活している。ゲームに子どもたちの時間が取られてしまっている現代において、読書はやはり日本語能力を高めること、日本語で論理的に思考する上で欠かせないものだと改めて認識をし、市を挙げての取組みの強化が必要だ。具体的には子どもたちが行きたくなるような図書環境を作ること、蔵書に工夫をすること、図書室の開館時間を増やすこと(現状はPTA などが協力しているとのことだが、それは本来の取組みではないと思う)など。
自尊感情、挑戦などについて:
全国平均と同程度である(だから心配ない?)、5 年前のデータはないので比較できないとされている。「自分には良いところがありますか」の問いに対して全国平均より高い割合で5 年前より自尊感情が高まっていると結論付けているが、果たしてそのような楽観視できる結果と言えるのか。そもそも、日本の子どもたちの自尊感情や挑戦への意識が低いということは調査で明らかになっている(下記抜粋を参照)。日本全体の子どもたちの自尊感情、社会を変えられると言う意識の低さ、挑戦への意識の希薄さなどが日本の活力の低さの理由であると再三指摘されている。
以下参考資料:
18 歳意識調査「第46 回 –国や社会に対する意識(6 カ国:日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インド調査)–」報告書日本財団 2022 年3 月24 より抜粋
日本は「自分には人に誇れる個性がある」「自分は他人から必要とされている」「勉強、仕事、趣味など、何か夢中になれることがある」「自分のしていることには、目的や意味がある」「自分の人生には、目標や方向性がある」で6 ヵ国中最下位となった。
また、日本は「日々の生活で不安やゆううつを感じる」が65.3%で、6 ヵ国中最も多い。自身の将来や目標に関する質問で、全ての項目で日本は6 ヵ国中最下位となった。特に「多少のリスクが伴っても、新しいことに沢山挑戦したい」「多少のリスクが伴っても、高い目標を達成したい」は低く、5 割を下回る。
政治や選挙と自身の関わりについての質問も、日本は同意意見が少なく、「政治や選挙、社会問題について、自分の考えを持っている」「政治や選挙、社会問題について、積極的に情報を集めている」「政治や選挙、社会問題について、家族や友人と議論することがある」は6 ヵ国中最下位となった。「政治や選挙は、自分の生活に影響すると思う」は6 ヵ国中5 位。「政治や選挙、社会問題について、関心がある」は6 ヵ国中4 位。
地域との関わりについて:
「地域や社会に対する関心をより一層高めていく必要がある。」とあるが、具体的に何をするのか。非常に大切な問題だが、具体策が見えない。住んでいる地域の行事がそもそも非常に少ないという状況もある。学校だけでは解決できない問題でもあり、地域と連携して解決を図る必要があるだろう。
グローバル化に対応できる人材の育成について:
多文化共生の推進とあるが、中身が伴っていない。小中学校の外国語教育の充実とあるが、実際は「英語教育の充実」でしかない。外国語教育というなら、多様な外国語に触れる機会を作ることこそが多文化共生につながる。本市においてその数が急激に増加しているベトナム人の理解についていえば、彼らの言語であるベトナム語に親しむ機会などを意識的に作る必要がある。ベトナム人のCIR がおられるのに有効活用できていない。もっと小中
学校に出向いて異文化について子どもたちが知る機会を作るべきだ。
環境教育について:
気候変動が深刻な昨今、またゼロカーボン宣言をした本市において環境教育に取組むことは差し迫った課題であるにもかかわらず、提示された「主な取組み」は新しさのない代り映えのしないものである。もっと斬新な発想やアイデアを採り入れ、子どもたちを巻き込んだ環境教育をするべきだ。例えば、校内でどうやってプラスチックごみを減らすことができるのか調べることや、毎日自分が1 日に出すゴミを検証する取組みなど、実生活の中に取組める素材には事欠かないはずだ。外部講師に応援を依頼してもよい。早急に改善策を講じるべきだ。
生涯学習環境の充実について:
「学校施設等の開放」とあるが、実際は違うと感じている。以前、上映会をしたいと思い体育館を借りられるかと問い合わせをしたことがあるが前例がないことを理由に拒まれた。その映画は文科省推薦で、市の教育委員会の後援も得ていたもの。現状との乖離が激しいので、具体的な改善目標を早急に作るべきだ。
ぜひ、みなさんも目を通してみてください(読み解くのは大変だけど…)!